【対談】顧客満足度3〜5%改善!ブルームダイニングサービスが実現した「データに基づく繁盛店の作り方」
今回は、『FOOD STYLE JAPAN東京』第20回開催記念特別セミナーにて株式会社ブルームダイニングサービスの杉村社長をお迎えし、「データに基づいた繁盛店の作り方とは」をテーマに株式会社ファンくる代表山口との対談を行いました。
杉村社長は、現場経験からキャリアを始め、大手ラーメンチェーンでの多業態展開やM&Aなどを経験。2021年7月にブルームダイニングサービスの代表取締役社長に就任後、主力店舗「がブリチキン。」を中心とした成長戦略を推進されています。対談では、今回導入いただいた「Fancrew CR(ファンくるシーアール)」でのデータ解析を基軸とした店舗改善の具体的なステップや、従業員の主体性を引き出すための伴走型サポートの重要性について、導入前後の具体的なデータを交えて深くお話を伺いました。
- 課題
- 経験則からの脱却と、データに基づいた高精度な仮説立案ができていなかった。
- 既存の調査手法と、実際の「顧客の生の声」との間に乖離が生じていた。
- 店舗ごとの課題の可視化と、その根本原因の特定ができていなかった。
- 効果
- 顧客の感情や評価を定量データ化し、優先順位の明確な「根拠ある改善」を実現。来店顧客からの評価が3〜5%程度改善
- 「雰囲気が料理の評価を下げる」といった顧客の深層心理や、店舗ごとの課題特性を可視化し、的確な施策へ反映
- 現場が「打ち手」の考案・実行に集中できる伴走体制により、スタッフの主体性を向上
- 経験則からの脱却と、データに基づいた高精度な仮説立案ができていなかった。
- 既存の調査手法と、実際の「顧客の生の声」との間に乖離が生じていた。
- 店舗ごとの課題の可視化と、その根本原因の特定ができていなかった。
- 顧客の感情や評価を定量データ化し、優先順位の明確な「根拠ある改善」を実現。来店顧客からの評価が3〜5%程度改善
- 「雰囲気が料理の評価を下げる」といった顧客の深層心理や、店舗ごとの課題特性を可視化し、的確な施策へ反映
- 現場が「打ち手」の考案・実行に集中できる伴走体制により、スタッフの主体性を向上
実際の顧客の声とのギャップが生じ、自社分析の限界に直面…。

―「Fancrew CR 」導入前はどのような課題がありましたか。
杉村さん:自社で行っていた分析と、お客様の声にギャップが生じていたことが課題でした。従来は、社内のチェックシートや委託していたマーケティング会社の相対的なデータ、定期的な市場調査など、複数の方法で分析をしていました。しかし、それらは「実際に来店された顧客の声」ではないため、実際の顧客や現場に沿った分析ができていませんでした。
感覚や経験則ではなく、根拠をもって改善を進められるように

―実際に「Fancrew CR」を導入されてみていかがでしたか。
杉村さん:期待以上の効果を感じています。特に、来店されたお客様の生の声に基づくデータ解析によって、店舗の課題が迅速かつ明確に可視化できる点に非常に満足しています。これまでの弊社の課題は、店舗運営における改善のための根拠に基づいた仮説立てができていなかったことです。例えば、「接客を改善しよう」となっても、具体的にどの点がどの程度お客様にネガティブな影響を与えているのかが不明瞭でした。
一方で「Fancrew CR」は、店舗に来店されたお客様に店内POPなどを通してその場で回答を依頼し、大量の定量データを回収します。このデータをファンくる独自の統計分析(特許取得済)にかけることで、接客や料理などの各項目が顧客満足度にどれだけ影響しているかを定量化でき、改善すべき課題とその優先順位まで明確に分かるようになりました。おかげで、感覚や経験則ではなく、データという揺るぎない根拠をもって改善を進められるようになり、現在は高い精度で顧客体験の改善を進められています。お客様の満足度を数値化し、経営層が必要とする定量的な課題と改善優先度を出す「Fancrew CR」ならではの価値だと実感しています。
▼「Fancrew CR」では店舗別での定量評価を細かく分析し、課題を特定することが可能

―来店顧客からの評価を向上させるために、ファンくるのデータをどのように活用したのですか。
杉村さん:ファンくるさんのデータ分析結果を活かして、2つの施策を実施しました。1つ目は、オペレーションのルール化・標準化、そしてマネジメントチェックの方法を変更したことです。弊社の店舗の共通課題として「料理は美味しいが、コスパが感じられていない」ということ、そしてデータ報告の際に山口社長から指摘いただいた「再現性の低さ」がありました。2つ目は、データ結果を基にメニューをフルリニューアルしたことです。データ分析によって浮き彫りになった「料理の質」「再現性」「コスパ」の問題を解決するために実施したのですが、実はこの改善が最も大きく評価に影響しました。
結果として、メニューリニューアル後のデータでは、まず「コスパ(コストパフォーマンス)」がお客様に高く評価され、もともと強みだった「料理の質」もさらに向上し、再現性も高まりました。その結果、数字が大きく改善しています。「ファンくる」のデータの結果に基づいて、確度の高い打ち手が考えられたことが、私たちにとって最も大きな成果です。
分析結果の「見える化」が社員の主体性を引き出し、全社的な店舗改善を実現。

―「Fancrew CR」導入後の現場の雰囲気はいかがでしたか。
杉村さん:ファンくるさんが最後まで伴走し、サポートしてくださったことで、現場社員の主体性を引き出すことができました。さらに幹部だけでなく店長と直属の上長が参加することで、問題意識が共有・共感できたことが、一番良い結果に繋がったと感じています。
多くのサービスは、導入が完了すると自社で対応することが多くなりますが、このモデルでは課題の分解などに時間をかけすぎてしまい、現場で働く従業員が挫折してしまいがちです。一方で、「Fancrew CR」ではデータによって課題が明確になっているため、現場は「なぜ課題とされているのか」を深く掘るのではなく、「それに対してどうするか」という打ち手を考えることに集中できました。
―本部内での反応もありましたか。
杉村さん:開始当初、本部内では半信半疑の部分もありましたが、データを受け取った中で、特に「発見」があった時に社員たちは非常に喜び、興味を持つようになりました。
―最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の対談では、株式会社ブルームダイニングサービスの杉村社長とファンくる代表の山口が、「データに基づいた繁盛店の作り方」について語りました。同社は、経験則からの脱却を目指し「Fancrew CR」を導入。来店顧客の声を定量データ化し、改善すべき課題の優先順位を明確にしました。
最も大きな成果は、データ分析結果の「見える化」による従業員の主体性向上です。本部から現場までデータが共有されたことで、従業員は「なぜ課題とされているのか」ではなく「何をすべきか」という打ち手の考案に集中できました。このプロセスを通じて、店長や現場スタッフが課題を「自分ごと」として捉え、納得感をもって改善に取り組める「自走できる組織」へと変化。結果として、顧客からの評価が向上し、属人化に頼らない全社的な改善が実現しました。データに基づくアクションが、変化の激しい飲食業界で成長し続ける鍵となるのではないでしょうか。